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バビロニア神話 Babylonia

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現在のイラクの南半分に相当する地域が統合されてバビロニアが成立したのは ハムラビ王の時代。 最初は内政に力を注いだが治世31年目にはシュメールとアッカド、ついでマリ、エシュヌンナ を得て都市国家が一つの国となった。 首都バビロンが政治、文化の中心地となった。

もともとバビロンはシュメール人の最後の生き残り(ウル第三王朝。紀元前BC2113年頃)が アモリ人に受けがれ、ラルサ、キシュ、バビロンと新王朝が 興ったのが始まりである。

ハムラビの法典ではシュメールの主要な神々がバビロンの神マルドゥクの地位を高め、 最高神にし、マルドゥクはハムラビに国土に公正をつくるよう 教えたとある。

このハムラビの王朝(バビロン第一王朝。紀元前BC1792~1595年)はシュメール人の知恵、 宗教的知識を受け継ぎ膨大な文書、文献を残した。 シュメール人の文献から筆記者たちは、神話や叙事詩をシュメール語で書き留めた。 アッカド語も記述言語として活躍した。 シュメール人の神話が叙事詩として編纂された。 「ギルガメシュ叙事詩」はマルドゥクを讃える重要な詩でバビロンの新年の祭りで朗読された。 その後、カッシートの支配者がバビロニア人の王に取って代わり(紀元前1600~1200年頃)、 彼らのの神々をバビロニアの神々の列に入れ、 バビロニアの文化を受け継いだ。つぎにアッシリアの支配時代にもバビロニア人の文化は 保護されたが都市アシュールの国家神アシュールが バビロニア人の国家神マルドゥクに取って代っていった。その後、新バビロニア王国の 出現(紀元前700~500年)で、 ネプカドネザル王の時代(紀元前BC600年頃)にバビロン市と古代の社稷が復興された。

様々な国家の興亡の中、シュメール人の文化、バビロニアの文化は民族、国家を 超えて取り入れられた。

バビロニア人は政治的・軍事的、個人においても予兆を得る方法に占星術が用いられた。 運命は予兆、すなわち神々の警告により決定されたり、 また予言もなされた。予言的な祭司、良い運命をもたらすため呪術を用いる祭司などがいた。

参考資料
筑摩世界文学大系〈1〉古代オリエント集

 
関連項目一覧
アンズー (神)
イシュタル (女神)
エチムミ (シュメール:幽霊,魔物,病気)
エヌマ・エリシュ (アッカド,文書,物語)
エンキドゥ (英雄)
エンムー (シュメール:怨霊)
ギルガメッシュ(ギルガメス) (英雄,王)
グアンナ (シュメール,魔物:牛)
クビュ (シュメール・病魔)
ジッグラト(ジグラット) (シュメール:塔)
シュメール (文化地域)
スハルジク (シュメール:物品,薬)
ティアマトー (神)
ナドウシュ・ナミル (神)
ニサン(正月) (月,暦,祭)
ニンスン (神)
ネビル(木星) (星:マルドゥクの50の名)
ネブカドネザル大王 (英雄,王)
ネルガル (神)
フンババ(フワワ) (シュメール,バビロニア,ヒッタイト:神)
マルドゥーク (神)
ムンム (神、執事、助言者)
メスラム (死の国)
ムシュフシュ (ドラゴン、竜)
ラマシュテュ(ラマシュトゥ) (シュメール:悪魔,吸血鬼,病気)
リットゥ (武器:炎の剣)
レシェフ (カナーン他:疫病神)

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