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ペレ Pele

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ハワイの神話、伝承の火山の女神。キラウエア火山(標高1247m)に住むという。 火山の噴火は女神の怒りで、口から吐き出す溶岩で村が全滅する。
ペレはタヒチからきたという。北西の端から島々をめぐり、南東の端のハワイ島を選んで住んだ。

チャント『Ē Pele,Ē Pele,Ē Pele Ē』では 「Lapakū i Hawai*i ka wahine* o Pele!」(ハワイで一番アクティブな女、ペレ)と歌われている。

ペレは破壊的な自然の神格のせいか、なかなか残忍なようだ。
美男オヒアと美女レフアという恋人同士がいたが、キラウエア火山にきたオヒアにペレが恋して拒まれ、彼を木に変えてしまった。 その後レフアの悲しみぶりに、ペレもかわいそうに思い、彼女をオヒアの木に咲く赤い花に変えた。レフアの花を摘むと雨が降るという。

ある時、ペレは夫となる男性との出会いを考え、眠りにつくことにした。妹のヒイアカに9日目に「Hulihia」という復活のチャントを 唱えるように指示した。
眠りにつき身体から離れたペレの魂は、太鼓と美しいチャントの詠唱に惹かれカウアイ島のロヒアウ王に出会った。若くイケメン な王に惹かれ美女の姿になったペレは、王と結婚した。妹のチャントで目覚める前にペレは 「ハワイ島に帰らなくてはいけないが妹を迎えに寄こす」といって消えた。
目覚めたペレは妹にロヒアウの迎えを命じる。妹ヒイアカは大切にしてるレフアの森と親友ホーポエには手を出さない条件 をだし、40日間で帰らなくてはいけない旅にでた。
様々な困難がありヒイアカとロヒアウ王は40日間でもどれなかった。ペレは業を煮やし森と妹の親友を溶岩で焼き尽くした。
帰ったヒイアカは森と親友が溶岩に変わった姿を見て悲しんだ。ロヒアウとヒイアカは惹かれあってしまっていたが、 ペレとの約束に心を抑えていたロヒアウも、残酷なペレの仕打ちにもういいと、ヒイアカと抱き合った。
怒り狂ったペレは二人を焼き尽くそうとしたが、二人は逃れカウアイ島で幸せに暮らした。

まだハワイ島にいた頃か、パナ・エワというモオ(トカゲの怪獣)がヒイアカを罵って苦しめたとき、 助けを求められたペレがたくさんの兵士を送り怪物を倒した話もある。

噴火を鎮めるために人々はペレにティーリーフ(センネンボク)を供える。
火をつける「マッチ棒」のことをペレの火、ペレのうんち等というようだ。

「キラウエア火山から溶岩を持ち帰るとその人は不幸になる」(ハワイ火山国立公園パークレンジャーの発案)
という伝承ではないものがあるが、毎年900kgの溶岩が送りかえされてくるという。 「大変なトラブルに見舞われたのでどうかペレに返してほしい」という手紙と一緒に。

1983年1月4日深夜に始まったキラウエア火山東斜面からの噴火はその後もずっと続いている。2018年の噴火もニュースになっている。

参考資料
ALOHA!ハワイ語 神話編―フラとハワイを愛する人々へ (素敵なフラスタイル選書)
・ALOHA!ハワイ語 歌編―フラとハワイを愛する人々)
・地球の歩き方 C01 ハワイⅠ(2011年~2012年度版)
・TBS Nスタ(2018/05/)

 

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ポリネシア (文化地域)

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