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江戸時代の「享保名物帳」(1719年本阿弥家報告)にも載っている日本刀。無銘。名物。 現在、重要文化財で徳川美術館蔵。

鎌倉中期の一文字派の刀。足利将軍家が所蔵していた時、研師にだしたとき、立てかけてあった刀に猫が触れたところ真っ二つに斬れたという。
この事と、中国の「碧巌録」第63則にみえる禅僧、南泉普願の故事(南泉斬猫なんせんざんみょう 禅の公案のひとつ)を結び付け、名づけられた。

唐の昔、径山寺で東西両堂の雲水僧たちが一匹の猫をとりあっていた(猫の子の仏性の有無について争った)ので、 南泉和尚が猫の子をとりあげ「会得したところを明らかにせよ」と迫り 禅問答をしたが、雲水僧たちは答えられず、南泉は猫を一刀両断したという。
愛猫家には激憤ものの故事、ネーミングである。

のちに、名刀を多く集めた豊臣秀吉が所持。 慶長16年(1611)、豊臣秀頼が京都二条城で徳川家康と会見した際に、家康に贈ったという。 その後家康の遺品として尾張徳川家初代義直に贈られた。

昭和14年の「日本刀」(本間順治:著)の名物の章には「有銘 長サ二尺〇三分 所在(尾張) 侯爵徳川義親」とある。

参考文献
斬れ味日本刀―業物のすべて (1972年)
・日本刀 (本間順治:著 岩波新書)
・大辞林 (三省堂)
・日本国語大辞典 (JapanKnowledge)

 
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