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フラゲルム・デイ Flagellum Dei (神の鞭) >>関連項目一覧


ヨーロッパの歴史伝承。東西ローマ帝国時代の5世紀頃、ヨーロッパに侵入して勢力を拡げたフン族と その王アッティラ(アッチラ)[在位433-453]の攻撃があまりにも激しいのを、 当時の教会史家が恐れて「フラゲルム・デイ Flagellum Dei (神の鞭)」と呼んだ。比喩としての武器呼称。 英語ならScourge of God。ラテン語Flagellumが鞭(むち)、Deiは神(Deus)の意味。
*もっと後代のタタール族を恐れて「エクス・タルタロ(地獄から来た者)」と 呼んだことを連想させる。

アッティラ王には佩剣に関する伝説があり、パンノニア(ハンガリー)の平原の草むらの中で牧童が古い剣を見つけて王に献上した。 もともと神像など造らず、剣を神の象徴としていたというフン族だが、アッティラは「これは軍神からの賜りものだ」として 地上の全権を神から委ねられたのだと言ったという。以後、多くの国を攻め勢力を拡大し、ビザンティンに黄金を献納させた。 452年にはイタリア各地を荒らし、教皇レオ1世の説得で引き揚げた。
しかしイタリアでイルディコという美女を妃にした453年、最初の臥所で「肺と胃袋に血液が奔流して死に至った」と殺害された。

しかし、アッティラの恐怖は長くヨーロッパ人の記憶に残ったようで、文学作品のなかにも伝えられ、 『ニーベルンゲンの歌』の「エッツェル」などに残る。



参考資料
聖剣伝説II  (Truth In Fantasy) (新紀元社)
ENCYCLOPEDIA BRITANNIKA
・日本大百科全書 (執筆者: 小学館)



 
関連項目一覧
武器 【大項目】
ヨーロッパ 【文化地域項目】
デウス 【ヨーロッパ:神】

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