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ヒガンバナ 彼岸花 ひがんばな

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しびとばな、てんがいばな、ゆうれいばな、すてごばな、したまがり、はみずはなみず等の呼び名多数。 漢名 石蒜(セキサン?)。古くに渡来した植物。中国原産といわれる。 本州以西の各地の土手、路傍、墓地などの人家近くに植えられた。 地中にラッキョウに似た鱗茎がある。

全草に毒があるが水溶性で水にさらして食用にする、救荒作物なのだとも。 また煎汁を腫れもの・疥癬などに塗ると効果があるという。

『和漢三才図絵』-九二末「石蒜(しびとばな) <中略> 俗伝死人花、又云彼岸花」
『思い出』(北原白秋) 柳河風俗詩・曼珠沙華「赤い、お墓の曼珠沙華(ヒガンバナ)  曼珠沙華、けふも手折りに来たわいな」

仏教伝説の瑞兆の花、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)とされる。仏教関連の伝承は マンジュシャゲ参照

そういった仏教の伝承とは別に、秋の彼岸の頃に、墓場など咲く真っ赤な花や、独特の形。 なんとなく薄気味悪いさまは、しびとばな、ゆうれいばな等と言われるのも無理はない。

浄瑠璃・相模入道千疋犬・三 「いっそ殺して 死びと花 にしてもらいたい」

あまり関係ないがヒガンバナ科はユリ科の異質な群がいくつかあり独立した科として扱ったもののひとつ。 こういったものにはほかにキツネノカミソリ、スイセンなどがある。外来の栽培種にアマリリス、サフランモドキなど。

まったく個人的感想だが当サイト筆者は、ヒガンバナが群れて真っ赤に咲いてる様子に 勝手にカザンバナと想起していた。上に神社のある高台の崖下に咲く赤い花、 町のあちこちの小さな墓地に咲く赤い花。確かに良いイメージはなかった。しかし形はユニークで 美しい花である。

参考資料
日本国語大辞典

 

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日本 (文化地域)
マンジュシャゲ (仏教:伝説の花)
ヒガン[エ](彼岸[会]) (仏教:日本:お墓参り)

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