神話辞典  文化地域  大項目  50音 

イルルヤンカシュ illuyankas

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ハッティの神話にでてくる竜形の神、魔物。嵐の神と戦い、一度は勝つが、 嵐の神は復讐のため女神イナラシュに罠を仕組ませた。

イナラシュはぶどう酒、果物のジュースなど様々な飲み物を甕になみなみと満たし、 イルルヤンカシュやその子供たちに飲ませた。住みかに帰れなくなるほど飲み食いした 彼らを、人間のフパシャシュが隠れていた小屋から飛び出してきて強力な縄で縛り 上げた。そして嵐の神が竜たちを殺した。

女神イナラシュが協力を頼んだフパシャシュは、協力する条件で女神と一晩ともに 過ごした。イナラシュはフパシャシュが神の力を得たかもしれないので彼を タルッカ国の高台の家に住まわせ窓から外を見ることを禁じた。それは彼が 妻子をみかけて家族のもとに帰りたくなることがないようにするためだったが、 フパシャシュは禁を破って家族のもとに帰りたいと言ったのでイナラシュは彼を殺した。

同じ粘土板には違うイルルヤンカシュ退治の物語も書かれていた。その話では一度敗れた嵐の神はイルルヤンカシュに心臓と眼を奪われた。嵐の神は人間の娘との間に男子をもうけ、後にイルルヤンカシュの娘と結婚させた。嵐の神は息子に奪われた体の一部のことを聞き出させ、それらを取り戻した。元の体にもどった嵐の神はイルルヤンカシュを倒し、自分の息子も殺した。

参考資料

 

関連項目一覧
ドラゴン、竜 (大項目)
ハッティ (文化地域)

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