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グレムリン Gremlin >>関連項目一覧


近・現代で発生した都市伝説的な妖精。機械の失敗の原因となる小さな想像上の生きもの(クリーチャー)。 第2次大戦中に飛行機のエンジンに故障を起こすとされた小鬼、とも。
伝承というには難しいが、 戦争(第2次世界大戦WW2)という特殊な事態の中で空軍兵士たちの中で航空機、飛行機の原因不明のトラブルが続いたことからうまれたもの。
詳しくは後述するが、今では機械などのトラブルをおこす妖精と説明される。

マスメディアでとりあげられたこともあり、人々の間に浸透した。 さらにファンタジー系の映画やゲームなどの作品でも多くみられるようになっている。

話の発端はイギリス空軍だという。マルタ、中東、インドなどの飛行士の俗語で、1923年頃からみられたようだ。
一説ではインドの北西戦線駐留のイギリス空軍爆撃司令部の兵士の間で航空機の原因不明のトラブルあったことが、 このグレムリンのせいだとされた。

名前の由来は士官食堂の本「グリムの妖精物語」、食堂唯一のビール銘柄「フレムリン」が混ざってつけられたものだともいう。

あるいは古英語O.E. gremman(怒り、いらいらする)、+ lin(ゴブリンgoblin)からとも、アイルランドの言葉に由来するとも 、gruaimin(不機嫌な小さい人)が由来ともいう。

メディアにでるようになったのは、 印刷物では1929年4月10日のjournal「Aeroplane」(ジャーナル「飛行機」)にグレムリンをつかった詩が掲載されたという。
また志願兵ジョフリー・レナード・チェシャー大佐が ヨークシャー飛行場(北イングランド)で航空機トラブルの説明にグレムリンの名をあげ、作家チャールズ・グレイヴズが聞き、 1941年の著作「薄い青色の線(The Thin Blue Line)」で取り上げた。

他に、以下のメディアで記事に取り上げられた。
「パンチ」(1942年11月11日)
「スペクテイター」(1943年1月1日)
「ニューヨークタイムズ」(1943年4月11日)


姿や習性等の説明は、およそ大衆化した後の創作といえるだろう。やはり戦時の兵士たちが見えざるトラブルに 迷信めいた考えを持ったあたりまでが伝承的に扱う部分だろう。英国空軍、イギリス人由来というのはやはり妖精伝承が豊かな下地があった ということだろうか。世界的にひろまったのは世界的戦争、マスメディアなどグローバル化な時代要素が考慮される。

アメリカの俗語では1961年頃から、なぜか「新米サーファー、ビーチトラブルメーカー」などの意味でもグレムリンが使われる。

余談だが一部のIT系技術者の間で、PCやシステムの異常なトラブルなどを「グレムリン」や「小人」のせいと冗談めいていうこともある。

 
関連項目一覧
ブリテン(イギリス) 【文化地域鉱区も】
妖精 【大項目】

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