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エル El >>関連項目一覧



カナーン人の都市ウガリットの主神、最高神。また古代のイスラエル人の信仰の中にもみられる神。名前の意味は「強き者」「第一の者」の意。玉座に座った、雄牛の角のはえた老人の姿で描かれる。

「神々の父」「大地の創造者」「雄牛エル」などの呼称もあり、川の流れにより土地を肥沃にした神、豊穣さと剛力を持った神であった。また海岸の近くに住んでいたとも、サフォン山の上に住んでいたともいう。

エルの妻はアシェラト女神だと考えられているが、ラス・シャムラ(ウガリット)の粘土板の物語によると、海岸を歩いていたエルは波の中にとびこみ、エルの手が波のように伸びて2人の女性に子を孕ませ、口づけと抱擁によって、それぞれシャハル(夜明けの意)とシャリム(夕暮れ)という神々が産まれた。この2人の妻はアシェラトとアナトのことだという説がある。

エルサレムでは、ダビデ以前のエルサレムの王たちが祭司となって崇拝されていた、エル・エルヨン、またはエル・エリョン(最上神の意)がヤハウェと同一視されていたようだ。

ユダヤ教、キリスト教の天使の名にも、このエルという名は残っている。ミカエル(神に似た者の意)、ガブリエル(神のうちいに我が力はあり・神の英雄)、ラファエル(神は癒すの意)など。ドイツ語の「大天使」の語ErzengelにもエルElの語が残る。

 

関連項目一覧
カナーン 【文化地域項目】
ヤーヴェ 【ユダヤ:神】
ユダヤ 【文化地域項目】

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