シャル=マル　shar-mar

カフカス[コーカサス]地域、ハヤスタンhayastan(英語アルメニア)の民話伝承に登場する智恵のある大蛇。キング・オヴ・ザ・スネークとも呼ばれるという。多くの蛇の従者を従え、山の上の大きな洞穴に棲む。

プルトという若者が嵐をさけるため洞穴にきて、家族のためにとった獲物を焼いて少しだけ食べ多くをシャルマルに礼として差し出した。感心したシャルマルは宝石を１つ与えた。プルトはその宝石で借金を返し多くの羊まで買えた。何頭かをシャルマルに届けた。シャルマルまた宝石を与えた。その宝石でプルトは家族のために家を建てた。

このプルトの幸運がキリキア(現在のトルコ)の王カイエンの耳に届き、ひどい痛みに苦しんでいたカイエン王はプルトを召しだし治させようとした。

シャルマルに危険な話だと知っていたプルトは断ったが、王の家来に拷問されて仕方なく従った。シャルマルもプルトが拷問をうけたことで、方策を与えた。
プルトにある花を食べさせ、シャルマルは別の花を食べた。
7年物のワインを持ってくる、シャルマルの首を切る、体を埋める、
脳の左半分、右半分で別々の煎じ薬を作ること、を命じた。

プルトが薬を持ち帰ると王は侍医に試飲させたが即死した。プルトは教わった飲み方があると伝え、その通りにするとカイエン王の痛みは治り、プルトは宮廷で幸せに暮らした。

確実ではないが、「シャル・マル」はペルシャ語由来なら、シャー(王)・マー(蛇　中世ペルシャ語？) かもしれない。

参考文献
・世界の怪物・神獣事典 (キャロル・ローズ著　原書房)
・nayiri.com
他

関連項目一覧
カフカス　(文化地域)
アルメニア　(文化地域)
ドラゴン,竜　(大項目)

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シャル=マル shar-mar

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