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アラヤシキ 阿頼耶識 (梵 alaya-vijñāna)

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仏教。阿羅耶識とも。梵語 alaya-vijñānaアーラヤヴィジュニヤーナの訳。 「あらや」はサンスクリット語の音写。全て漢語訳すると「蔵識」。 また真識、無没識、阿梨耶識とも訳す。
仏教で対象を識別、認識する作用のあるものを八つ(または九つ)たてる。その第八識。
以下、仏教の教義の難解な部分の説明となるが、仏の悟りについての説明の一部と解せば良いだろう。

眼耳鼻舌身と意識の六識にくわえ、
第七識の阿黎耶識、阿陀那識 末那識 (六識より根源的)
第八識の阿頼耶識 (さらに根源的で煩悩に汚されない清浄な識)
(第九識の阿摩羅識 {本浄真心、無垢識])
七、八、九は各宗派で教義が異なるが、前後の識でより根源なものと部分的なものといった説明、 意味合いのようだ。

この第八識は、縁によってその働きが顕れたり隠されたりする、善悪の業の種子を蓄える蔵識、 とも説明される。
種子(しゅうじ 梵 bija)、悟りの種子とも。あらゆる物心の現象、事物となって 現れる因種となるもので、阿頼耶識の中に伏在しているが、また 現在はたらいている諸現象によって阿頼耶識に与えられる慣習的気分。習気。

また第八識は「宇宙の万有を保って失わず、万有が展開する際の基体であり 万有を収蔵している」と思想哲学特有のわけのわからない説明がされる。

『即身成仏義』「則於阿頼耶識中 種金剛界種子」
『鉄眼禅師仮名法語』-五「また第八識は、根身、種子、器界を 縁ずと云へるも此の事なり」
『米沢本沙石集』-三・一「依他と云は、一切衆生に八識あり」


余談だが、アニメ・コミック作品『聖闘士星矢』 において、黄金聖闘士バルゴのシャカは聖闘士で唯一人、セブンセンシズを超えたエイトセンシズ 、阿頼耶識 に目覚めており、生死を超えて生きたまま冥界へ向かった(花びらに 阿頼耶識書く 21巻)。 老師 ライブラの童虎は「仏教では秘められたもの…とか 根源…とかいう意味」等と説き青銅聖闘士のエイトセンシズ覚醒うながす(22巻)。

参考資料
日本国語大辞典
聖闘士星矢 22 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 
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