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オヒガン お彼岸 彼岸会

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※2016年 春のお彼岸 3月17日
おひがん、ひがんえ。雑節のひとつであり、春分の日と秋分の日をそれぞれ中日とする各7日間(彼岸の入り-彼岸明け)。春の彼岸と秋の彼岸。
「暑さ寒さも彼岸まで」といわれる。
また、この春、秋にお墓参りに行く、仏事を行う慣習。
(国立天文台にるお彼岸の日)

彼岸は日本独特の暦注で、元来、暦家の説にはなく、 平安時代仏家からいいだして暦に記載するようになった暦の雑節の一つ。
彼岸の中日は太陽が真東から昇って真西に沈み、昼夜の長さが等しいので「時正(じしょう)」ともいう。

また「彼岸会」(ひがんえ)とも。春秋の2回、彼岸の7日間に行われる法会。 寺院に参詣し、墓参などの仏事を行う。俳句では特に春についていう。(季語 春)

「彼岸」という言葉自体は「川の向こうがわの岸」のことだが、仏教思想のもので、 サンスクリット語(梵語)でパーラムpāram。
此岸(しがん)と対になった語で生死の迷いを河・海にたとえた、その向こう岸。 悟りの境地、仏の境地をいう。

「到彼岸」(とうひがん 到る[いたる])を略したものともいう。「度彼岸」 (どひがん 度る[わたる])とも。
サンスクリット語(梵語)パーラミターpāramitā、 波羅蜜(はらみつ)がと音写で、「完成」「完全」の意味でもあるという。 (これは彼岸へ到ることが悟りを得る、という意味として意訳したものか。 天台大師の著作では波羅蜜を「事究竟(じくきょう)」「度無極(どむごく)」とも)
大乗仏教で強調されたとも、浄土教の影響が強いとも いうが、思想哲学、教義的な「彼岸」は別に項目を設ける。

日本ではお盆(盂蘭盆会)とお彼岸(彼岸会)がお墓参り、先祖供養の国民的行事となり、 ほかの涅槃会(2月25日)、誕生会(4月8日)、成道会(12月8日)が一般化しなかった。これは元々の日本的な先祖供養の慣習との習合なのだろうか。 ともかくお彼岸は日本特有のものといわれる。

参考資料
日本国語大辞典
くらしの中の仏教語 (山下民城:著 1978年)
・大辞泉 (JapanKnowledge)
・日本大百科全書 (執筆者:上田正昭 小学館)

 

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